皆川榮治のニュースレター 第069号2013年5月1日
news_field 工商会白書

 「台北市日本工商会」と言う団体があります。台湾における日系企業の集まりであり、いわゆる商工会議所に当たります。約550社が加盟しており、日台間の産業経済貿易の発展に取り組んでいます。

 去る6月18日、日台貿易経済協力フォローアップ会議が台北にて行われ、日台間の経済協力に関する協議が行われました。日本の経産省を初め、各省庁から課長級多数を始め工商会役員など10数人が参加し、台湾側からも経済建設委員会(経企庁に当たる。以下経建会と略称)主任委員管中閔(カンチュウビン)氏ほか20人が出席し、日台間の懸案事項について話し合われたものです。
 この間の事情について、工商会事務局長山本幸男氏を尋ね要点をうかがいました。内容は次の通りです(写真右は山本氏。左は筆者で手に持つのは「工商会白書」)。
1.今回のフォローアップ会議は、2012年11月に工商会が経建会に提出した提言書「工商会白書」で取り上げた44項目の要望提言事項の中、当面の重要案件について話し合われたものです。
2.東日本大震災による福島第1原発の放射能被害を受けた農産物について、台湾側が輸入規制している問題に関し、日本側が解除を申し入れたのに対し、目下日本からのデータ入手を求めており、入手後解除の可能性を考えることとなりました。
3.日本酒、焼酎、泡盛の輸入関税(現在40%)の低減要求に関し、ウィスキー(無税)、ビール(5%)、ワイン(10%)に比べ高過ぎる関税の引き下げを求める日本側に対し、台湾側は従来、米酒(日本酒と同じ米を原料とする酒で「ミーチョウ」と言う)保護の理由から低減を拒否していた従来方向から転換し、日本への主要輸出産品であるバナナの関税引き下げを求める代替案が出され、今後の交渉が待たれることとなりました。
4,今年8月、日台間の薬事協定が締結されていますが、双方の薬品企業が現在薬品ごとに相手国の承認を得ている為、多大の手数及び時間と費用がかかっています。これを今後は製造工場ごとの承認を得れば、薬品ごとの承認は省略しようとの方向が確認されました。双方の薬品企業への信頼感の高まりが期待されるところです。
今回の主なテーマは上記3項目ですが、白書の問題提起を契機に相互の協議が続けられるところに日台間の前向きな問題解決への場が確立されているものと言えます。
 6月18日の協議は、2013年度の新役員(4月に就任)相互の顔見せ、挨拶の意味合いがありましたが、これを皮切りに工商会側は新しい2013年度白書の策定に向け、今後の調整検討を続けてゆくこととなり、11月初旬には2013年度白書が提出される予定になっています。                                  (了)

 

新原経営顧問(股)公司