皆川榮治のニュースレター 第068号2013年4月1日
news_field 自由経済モデル区

 昨年11月末に実施した台湾の総統選挙の結果、馬英九氏が当選し、本年5月から第2次馬政権が発足することになっていますが、これに先立ち2月18日に行政院の組閣が行なわれ、江宣樺氏が行政院長に就任し、新内閣が発足しました。現政権は、昨年11月の総統選挙では勝ったものの、2012年のGDP成長率は1.3%と低率であり、政府発表の経済指標もこのところ「やや沈静」状態(5段階評価の4番目に低い状況)にあることから内閣支持率が20%台に低迷しています。

 従って、新内閣は経済、投資、雇用、所得の各方面からの改善を期待され、発足後支持率は30%台に上昇しましたが、更にこれに答えるべく、行政院経済建設委員会の管中閔主任が3月11日、「自由経済モデル区」の構想を発表し、注目を浴びました。外国からの投資を呼び込み経済成長につなごうと言うものです。すなわち、物流、病院、農業分野での技術導入と企業合弁推進を目的とした海外企業を呼び込み、台湾のモデル区において生産・加工した製品を海外に販売すると言う図式で台湾の経済成長に寄与しようと言う大変ユニークな構想です。
 台湾にはすでに自由貿易港区があり、物流、倉庫、加工・製造機能を持つ企業が関税
優遇を受けていますが、この新しい自由経済モデル区はこの自由貿易港区機能を発展させるもので、その為の立法措置を早急に行ない、3月末には成案をまとめ、5月には立法院にて審議するとのスケジュールです。
 この計画では今までの自由貿易港区を雛形とし、台湾の北部、中部、南部の3箇所にモデル区を設置する予定ですが、当面高雄港での設置が優先するようです。機能的には従来の自由貿易機能に加え、インテリジェント物流機能、国際医療即ち外国病院及び技術の導入と企業化、海外の農業技術の導入と企業化による高付加価値化及び海外企業との合弁推進を対象としています。また「外資導入」の他、このモデル区では「輸出専門区」と「製品の台湾導入禁止」が基本コンセプトであると言えます。分かり易く言えば、海外の資本及び優れた技術を導入しこのモデル区内で加工・製造し海外輸出しようと言うものです。 
 そのためには外国人労働者も受け入れ、最低賃金の枠も外し労働ビザも支給し、従来規制していた外国人労働者の「2年以上の就業経験」の枠も取り払うと共に、モデル区内企業には所得税を減免するとの優遇措置を講じる計画です。
 詳細説明は特別法に譲りますが、インテリジェンス物流の拡大、病院の企業化、農業の高付加価値化、海外企業との合弁推進には大変有利なビジネスチャンスだと言えます。台湾の自由経済モデル区を基地として企業化し海外に発展する、と言う構想を考えてみては如何でしょうか?                          (了)

 

新原経営顧問(股)公司