皆川榮治のニュースレター 第062号2012年10月1日
news_field 許文龍さんを訪ねて

      奇美実業前会長許文龍氏インタビュー
 先日台南を訪れ、ABS樹脂製造で世界No.1企業を創業された奇美実業公司の前会長、許文龍さんを訪問しました。

  私は日頃、日本の友人たちに「親日国台湾を良く理解していただくことによって日本の姿を知る機会が得られます」と話していますが、日本統治時代を生き親日家として自認しておられる許文龍さんにお会いする機会がありましたので、一問一答をご報告します。日台関係強化に務めていらっしゃるお姿が見えてくるのではないでしょうか?

1, 「奇美実業さんはどのように発展して来られましたか?」
(許文龍氏)「私どもは戦後すぐ、こつこつ技術を学んでは少しづつ大きくなって来た会社です。純粋の台湾企業ですから当時の政府の支援もなく自力でやって来ました。がこの間日本の技術の支援を受けたり、材料を供給してもらったりして成長しました。日本の企業は完成品を作ったり売ったりするよりもむしろ、材料の基礎部分の開発や製造が得意で、私たちは材料は日本から買い、製品をつくって販売する方を得意とする、と言う形で成長しました」
2,「現状の日台関係について如何お考えでしょうか?」
(文龍氏)「台湾の人は戦後の台湾の歴史から大陸から来たひとたちとの間でトラブルが大きかった為、戦後の台湾よりも戦前の日本統治の方が良かったと考えるようになり、親日的になりました。韓国とは事情が違います。ですから戦後、日本から台湾への資本や技術の進出に対しても喜んで歓迎しました。戦前の人間関係もありましたので、産業界は日本との関係を深めました。ただ20年位前から中国経済の成長の陰で日本も台湾への関心が薄れ、一時日本では「台湾はもう投資メリットがない」との考え方がありましたが、このところ中国とのECFA(経済協力枠組み協定)の締結後、状況が変わり、また日本企業の台湾投資が増えているようです。」
3,「最近は製造業も増えているようですが」
 (文龍氏)「そうです。大手の製造業も再び増え始めています。ECFA後は流通業の増加が予想されていましたが、製造業、それも結構先進技術の投資が増えています」
4,「日本企業が台湾投資する場合の留意事項があれば教えてください」
 (文龍氏)「何といっても親日家が多いですから。台湾に来られて親日家の人たちと交 流してください。その中で良いパートナーを見つけて関係をつくるのが良いと思います。日台両企業が協力したら、中国市場やその他東アジア市場への進出はやり易いと思います。私はお金が出来たら社会に恩返しをしようと考え、世界の美術品や楽器、絵画などを集め多くの方に見ていただこうと考え「奇美博物館」を作り、また戦前台湾のために貢献された後藤新平さん等8人の胸像を作りました。皆さんも見学がてらお出で下さい。日台関係を深めるために私はあとの人生を奉げたいと思っています
「本日は有難うございました」                       (了)


新原経営顧問(股)公司