皆川榮治のニュースレター 第40号(2005年3月2日)

日 本 と 同 じ 品 質 を 作 る(Ⅱ)

 台湾人幹部達に、会社の問題点を書かせますと多くの幹部達が書く項目に次の三大問題があります。

  1.コミュニケーションがわるい
  2.本位主義(自己本位)
  3.賞罰不明

 正に、お客様の為に良い仕事をするとの理念の不徹底を表しています。

 つまり、台湾の企業にはお客様の為に良い仕事をしようとの観念が根づく環境がないということを表しています。

 そこで、考えていただきたいことは企業におけるこの様な環境とか、企業文化というものは自然発生するものではない、ということです。

 ここのところに、台湾人幹部達が、台湾が日本の品質に及ばない理由として「環境のちがい」と答えたことに対し、私が正解とも言えない、と書いた理由があるのです。すなわち、彼らが環境のちがいと答えたその裏側には、自分達にはどうしようもない環境という理由がある、という意味が込められている様に、私には聞こえるからです。

 しかし、環境や文化、というものは、実は、意図して創り上げるものなのです。
従って、環境のちがいとして片づけるのではなく、環境をつくって来なかった、と言ってほしいのです。そうすれば、正解ということになります。

 すなわち、台湾の仕事の品質が日本の本社の品質に及ばない理由は仕事の目的を教えて来なかった、或いは教えても中途半端にしか教えて来なかった、ということになります。

 給料を貰う為にだけ会社に来ている幹部も従業員もたくさんいます。これでは、良い仕事ができません。個人の能力は日本の従業員と変らないので良い仕事ができますが、上司から言われた仕事以外はやらないとか、監督者や管理者に見られているときはまじめにやるが、見られていないと手を抜く、ということになります。手を抜いても給料は変らないのですから。これが日本と同じ品質のできない原因です。

 では結論に入りましょう。

 「お客様の為に良い仕事をする」との観念を徹底教育することです。すなわち、経営は思想教育に他なりません。日本では会社創業以来やって来たことですから、私達日本人はその環境下にどっぷりつかってやって来ましたが、台湾ではその環境が出来上がっていないのですから、創り始めなければなりません。私の考えでは、集中的に努力したら、3年程度で大きく変わる、と言えます。

 では、どの様にすればよいのでしょうか?

 次の様にやることです。

1.経営トップがしっかりと国家貢献、顧客貢献、社会的責任の理念を持ち、その徹底に自身の仕事としての使命感を持つこと

2.理念の貫徹の仕方、即ち、”経営”の基本を学び修得すること

3.徹底の方法や順序を決め、教育の為の必要投資を優先確保すること

4.幹部教育を徹底し、理念の重要性と管理能力の発揮の仕方を教える

5.監督者訓練を実施し、意識を統一する

6.専門技術教育、商品知識教育を強化する。その為に教材を充実させ、顧客への我が社の貢献(優位性)を体系化すること

7.品質活動(TQC)は当然ながら、サービス体制の優先確立に重点を置く

8.経営者と管理者、管理者と部下とが1対1で定期業務検討会を行い、業務の点検と同時に仕事の改善、業績の達成に関する具
  体策を相互協力で進める

9.計画力向上の徹底訓練を行い、幹部の計画内容について、重要度、難易度のすり合わせを行う同時に、計画に具体性を持た
  せる

10.目標管理を成功させる為、定期評価会を確実励行し、これを通して顧客に貢献する具体的方策を決め、確実実行させる。
  また給与への連動も不可欠。

 日本の会社は創業以来数10年かけて「次工程(お客様)には不良品を提供しない」或いは「誰が見ていても見ていなくても自己責任でお客様の為に良い仕事をする」体質をつくって来たのですから、台湾でこれを実現するには、集中的に2-3年訓練することが必要です。今からでも間に合います。しかし、始めなければ前進はありません。

 3年集中継続すれば、日本並みが実現します。詳しくは新原経営顧問公司にお尋ね下さい。

(尚、弊社第36期企業幹部訓練班は3月24日開講です)

新原経営顧問(股)公司