皆川榮治のニュースレター 第23号(2003年04月17日)

事業拡大の一方向
- 樹液シートの取扱い・学習ソフトの導入 -


 景気が低迷し、また中国への産業移転によって空洞化する台湾の経済産業界にあって、各企業の今後の業績拡大の方向はどこにあるのでしょうか?
 私はかねがねこのような時代の事業展開の一つとして、自社製品・商品、或いは自社分野に拘らない製品・分野への展開を勧めてきましたが、近々2つの事例を体験しましたのでご紹介致します。
 第一は山之内製薬さんの例ですが、同社は胃潰瘍薬で有名なガスター始め花形商品を持っておられますが、健康保険の薬価が4年間で3度も下がるという状況を受け、台湾山之内としての将来の事業を展望するとき、自社品のみに拘らない事業展開を決断されたわけです。樹液シートという商品で人の疲労回復に役立つ湿布材ですが、日本でも人気のあった商品で、業績向上に貢献できるものと期待されています。日本本社はともすれば、自社ブランド以外のものを扱うことに極めて保守的な考え方をする傾向にありますが、台湾山之内公司では、総経理の英断と熱意で本社を動かすことに成功した一例です。
 売上も順調に伸びています。薬局で扱っていますので、使ってみてください。
 第2の例はTAPSという日本人小中学生を対象とした学習塾の例ですが、従来5人の先生をかかえて台北日本人学校の小中学生の補習授業をやって来られましたが、日本で最も採用率の高い学習ソフトの導入に踏み切りました。すなわち、生徒がコンピュータを操作して教科内容を独力で修得してもらおうというものです。これによって
  1. できる生徒は、進度をどんどん進めることができる
  2. 遅れている生徒は、理解できるまで何度でもやり直せる
  3. ノート学習と先生による授業とを併用することによって、書く能力、考える能力をも養うことができる
  4. 塾としては先生の人数減でコストが低減できる
等の特徴があり、正に近代兵器を導入することになりました。
 日本では既に何年も前から学研を始め、いくつかの種類の学習ソフトがありましたが、多くは既に衰退していますが、TAPSさんの導入したものは日本で最も普及率の高いグリム社のものであり、生徒の能力に合わせた、また生徒の学習意欲を育て得る学習ソフトだと塾長が自信をもって語っています。
 TAPSさんでは土日曜に説明会を開催すると言うことですから、興味のある方は子供さんの為にご覧になると良いでしょう。
 この例は自社に優れた専門技術を持っていながら、他人の知恵(ソフト)を借りて、コスト低減と需要拡大を一挙に図ろうとするものです。
 従来の自社製品、自社技術のみにこだわっていては事業拡大はありません。事業方向の転換、拡大を考えて見る時代です。ライバルのものですら扱ってもよい時代です。

新原経営顧問(股)公司