皆川榮治のニュースレター 第18号(2003年2月19日)

イラク大量破壊兵器疑惑の結末

 イラク問題について1つの見方をご紹介したいと思います。
 国際査察団の第2回報告(2/14)の後、更に2週間の査察継続となりましたが、最早や安保理の方向は査察を継続しても大量破壊兵器の証拠提示を得られる見込みはなく、武力行使決議が避けられない状況にあると見られます。
 アナン事務総長も「今やボールはイラクにある」と言っており、イラクが如何に破棄したことの実証を提起するかにかかっています。
 しかし一方、安保理五大国のうちフランス、ロシア、中国が査察継続を主張し、武力行使反対の立場にあるかに見え、世界の世論も戦争回避への運動が高まっています。
 '91年の湾岸戦争では五大国は一致して武力行使に賛成したのですが、今回は様相が異なります。フランスは既にイラク現政権と石油採掘権契約を交わしており、ロシアも交渉継続中であると言う背景があり、現政権尊重を示す必要があります。
 中国は反テロでは米国と同一歩調を取りますが、武力行使となると台湾をはさんで米国との武力対立の芽が残っている関係から、可能な限り米国を押さえておきたい立場をくずしてはいません。
 米国はたとえ国連決議がなくても英国、オーストラリア等と単独攻撃に走る可能性が大であり、最早や戦争は不可避の方向にあります。
 しかし、ブッシュ大統領はすでに何度も「フセインが亡命するなら歓迎する」と言っていますし、もし戦闘が始まったら2日以内のフセイン殺害を準備していると言われています。
 また、今は査察優先を唱えていながら最終的には米国といっしょに武力行使に参加すると考えられるフランスのシラク大統領も、2/17「フセインが外国へ逃亡するなら歓迎する」と言っています。
 また、米国や英・豪軍の兵力派遣もその度合いが遅いのも否めません。今の米軍では101空艇師団の移動が戦闘開始の必須行動と見られているのに、101師団はまだ動いていません。兵力も20~30万が必要と見られるのに、まだ10万そこそこで不充分です。
 更にフランス、ロシアの戦争自制発言と米国の積極発言を対照してみると、相互に地下でフセイン亡命、戦闘なくしてフセイン政権打倒が動いていることが見えてきます。
 また、イラク地方は3月中旬から大砂嵐(ブリザード)が吹き荒れ、火器が使えなくなります。年によって早ければ3月上旬のこともあり得ます。
従って、3月1日に第3回査察団報告があって攻撃開始したとしても、1週間後の戦闘開始で戦闘期間が1週間もあるかないか、と言うことになります。
 以上のことから総合して、3月1日~10日までの間にフセイン亡命(たぶんスイス)→新政権樹立の可能性が大きいと言うことです。
 米国は既にイラク新政権構想も準備しており、今武力行使不可避を進めながらフセイン追放をフランス、ロシアと共に画策していると見るべきでしょう。
 イラク人民は北朝鮮と違って食料等を貯えており、軍事力行使しないで政権交替する方が後の情勢が安定することは言うまでもありません。「1兵の損失もなく新政権樹立へ」と言うのが、もう一方の米国の狙いと見るべきです。

 更に北朝鮮について一言だけ触れておくと、昨年来経済政策の大失敗はご承知の通りですが、今や重油の枯渇で今年5~6月には軍の兵器が大半(ディーゼルエンジン)動かなくなると言うのです。米国はもちろんそれを把握しており、対北朝鮮交渉の積極展開は6月以降となり、北側の軍事力を背景にした交渉は一層弱体化し、経済失態と相まっていよいよ夏頃に政権放逐の動きが高まる可能性があると見られます。

 本ニュースレターの内容とほぼ同内容が2月20日(木)のNHK夜9時のニュースで解説員から報道されたようですが、本ニュースレターの情報源はNHKとは全く関係がないことを追加伝達させていただきます。(皆川)

新原経営顧問(股)公司