皆川榮治のニュースレター 第9号(2002年4月3日)

台湾では給与引き下げは出来ない?

 この1年間「給与制度を変えたい」と言う相談が多い。当然のことながら実力主義、成果主義給与への転換をしたいという要望である。
 台湾企業の多くは日系企業を含め殆どが年功制度を採っているか、体系そのものが明確でない。
 従って、この時代即ち低成長時代の給与制度としては、仕事に応じた給与制度への転換が必要となってくる。その結果、多くの企業で今、職能資格制度の導入が進んでいる。
 仕事の成果や能力に応じて、よく仕事した者には多く、しない者には少なく配分しようという給与制度であり、仕事をよくすれば自己の将来の給与も見えるようにしよう、とするものである。

 従来の給与制度からこの様な実力主義給与制度へ転換しようとする時、決まって出てくる質問が今回のテーマである。即ち「台湾では給与を引き下げることが出来ないのでは?」というものである。
 特に台湾人幹部が必ずと言ってよいほどこう言ってくる「台湾では給与を引き下げることは出来ません。そんなことしたら、大変なことになります。」と言うのである。

 これについて明確にしておきたい。
 台湾の法律にも、判例にも、行政指導(労働委員会の)にも、このようなものはない。但し過去の高成長時代には、給与を引き下げるということは殆どかなったし、人手不足時代にそのような必要性はなかっただけである。

 これからの時代は違う。デフレ時代であり、低成長時代である。
 あらゆるところで格差が拡がる。給与面でも格差が拡がる。業種間、企業間、職種間、部門間、個人差等、あらゆるところで給与レベルの格差が生じてくる。
 それに耐えられる給与制度を持っていることが必要である。仕事のよくない者の給与は下げざるを得なくなる。

 では、どのようにすれば下げられるか? ポイントは3つある。

  1. 就業規則に明確にしておくこと
  2. 給与の調整について明確な方法を規定しておくこと(給与規定)
  3. 上記規則、規定について労使合意を取っておくこと

 もう一度申し上げるが、台湾でも給与引き下げは可能である。それどころか、そのような給与制度を持っておかなければならないということである。

参考:新原経営顧問ホームページ 【ご提案】「新しい給与制度の導入」

新原経営顧問(股)公司