皆川榮治のニュースレター 第3号(2002年1月23日)

行動に気をつけましょう

 ご承知の通り、「極楽台湾」という本(この種の本をMOOKと言うらしい)が、話題を集めている。と言うよりも、日本人への風当たりが強まる原因になっている。

 原因を簡単に言えば、司書房という本屋が発行したくだんの台湾風俗ルポ誌を、紀伊国屋書店が売ったということから、台北市議や市長までが取り上げて、日本人への抗議の輪が広がったというものである。実物を見ていないが、新聞で見る限り台湾の法規でワイセツに当たる部分が写真で掲載されている。しかし、警察はこの書籍を売ったことで検挙することは出来ないと判断している。

 問題は2つある。1つはこの本がワイセツに当たるかどうかで、これは警察の管轄とするところである
他の1つは、市議や市長が政治のレベルで取り上げ、しかも「日本の買春客が一人来たら一人捕まえ、二人来たら一組捕らえる」と「日本の買春客」と名指しで非難したことである。
この種の出版物は自由主義社会ならどこにでもあるもので、目くじらを立てるものではなく、風俗を取り締まる警察が処理すれば良い問題である。
ところが、政治が大問題として取り上げ、しかも極めて厳しい表情をして「日本人・・」と指摘したことは、はなはだ軽率と言わざるを得ない。政治問題化して取り上げたところに民主政治・自由主義社会への理解の欠如が現れている。

 しかし、この様な行動に出た背景を把握しておくことも必要である。
 1つは、陳水扁市長時代と比べ、なまぬるいと言われていた風俗対策を、去年9月から強化しようとした矢先の出来事で、厳しい態度を取らざるを得なかったことがある。
 もう1つは、本土派(日本と接近して台湾の地位を挙げる立場)と統一派(中国に接近して台湾の地位を確立する立場)の政治の道具として使ったこと、すなわち日本叩きをすることによって反日感情を盛り上げ、統一派を優位に立たせようという意図である。
 歴史認識をはやしたてて、民族主義的国論統一を図ろうとする中国や韓国の論理と同類と言っても良い。

 何はともあれ「日本人買春客」を名指ししたことによって、警察はその様に動き始めた。既に捕まった観光客も出ている(釈放されたが)。従って、日本人としては充分注意することが必要である。

 「日本人はスケベ」とのイメージが一層強まることも考えておかねばならないし、特に日本からの来客を夜の街に案内する際には、充分注意が必要である。夢々、警察に呼びかけられることがないようにしたいものである。
 この問題についての、日本での報道は極めて少ないので、日本から来る多くの人は台湾のこの事情を飲み込んでいない。従って台湾に来られる来客にはあらかじめ知らせておいたほうが良さそうである。

新原経営顧問(股)公司